FC2ブログ

日刊知的ぐうたら生活

schazzie clubのホームページを移転しました⇒http://schazzie.wix.com/index
121234567891011121314151617181920212223242526272829303102
月別アーカイブ  【 2005年01月 】 

ケヴィン・ブルックス 『ルーカス』

ブックプラスの新刊『ルーカス』を読了。マッカーシーの『越境』と併読だったが、やはり大きな差を感じる。比較するほうが気の毒とは思うが、たまたまそういう状況だったので、仕方がない。

マッカーシーの描く主人公の淡々とした「孤高さ」に比べると、『ルーカス』の感情たっぷり、思い入れたっぷりの自分勝手な主人公には辟易する。同じでもまた困るだろうが、こういう主人公を見ると、もう少し落ち着いて、静かにしてくれと思う。

主人公が出会う不思議な少年ルーカスは、どこかカール・ハイアセンの『HOOT』に出てくる少年を思い起こさせ、この静かな、だが決然とした少年の存在が、作品を救ったとも言えるだろう。悲しい結末は予想外だったが、この少年には大きな魅力があった。

人間の社会に、いつの世も存在する邪悪さゆえ、この結末以外にはありえないという絶望とともに、ある意味でルーカスもまた「孤高」であり、群れた愚かな人間の犠牲になったのだと悲しく思った。この汚れた社会では、「孤高」という言葉は、もはや存在すら危うい。

清く、正しく、美しくとは、社会に迎合せず、孤独でなければできないことなのかもしれない。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『ルーカス』 BOOK PLUS/ケヴィン・ブルックス著・林香織訳
単行本: 358 p ; サイズ(cm): 19
出版社: 角川書店 ; ISBN: 4048970445 ; (2004/12)
[内容紹介]
イギリスの小さな島で繰り広げられる、少女と孤独な少年の運命的な出逢いと別れ。忘れられない青春時代の想い出がよみがえり心揺さぶられる、現代の癒しの物語。


◆Amazon

『Heartburn』/Nora Ephron ¥1167
ペーパーバック: 179 p ; 出版社: Vintage Books ; ISBN: 0679767959 ; Reissue 版 (1996/05/01)
[内容紹介]
完璧と思われた結婚生活の破綻をテーマに、おなかの皮がよじれるほど笑える小説を書くことなどできるだろうか? 映画『ユー・ガット・メール』の原作者でもあるノーラ・エフロンの手にかかれば、答えはイエスである。不義、復讐、グループセラピー、おいしい料理などが絶妙に組み合わさったこの小説で、映画『めぐり逢えたら』の原作者でもあるエフロンは、グレービーソースのできが小麦粉とバターで決まるように、コメディーのできは苦悩の描き方によって決まるということを実感させてくれる。

妊娠7か月目のレイチェル・サムスタットは、夫のマークが別の女性と深い関係にあることを知る。その女性が、「腕のように長い首と、すらりと伸びた親指のような鼻筋と、人目を引く美脚」の持ち主だとわかっても、何の慰めにもならない。だが、料理が慰めになることはある。レイチェルは料理の本を書いて生計を立てているのだ。そして、エフロンの描く元気いっぱいのヒロインは、マークを奪い返すべきか、大声でののしってやるべきか思案にくれながら、得意料理を披露してくれる。

『Heartburn』は、満腹感を与えてくれるマッシュポテトのように心を満たし、ふんわり膨らんだスフレのように軽やかな気分にしてくれる、ぜいたくなほど「おいしい」本なのだ。

『The Reading Group』の中で読まれている本
スポンサーサイト



【 2005/01/12/23/48/58 (Wed) 】 読書と日常 | TB(0) | CM(0)