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日刊知的ぐうたら生活

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スーザン・アイザックス 『弁護士リリー・ホワイト』

昨日読み終えた、スーザン・アイザックスの 『弁護士リリー・ホワイト』 は、面白かった。アイザックスの評判は前々から耳にしており、原書も2冊ほど持っているのだが、今まで読むタイミングがなかった(1冊は行方不明になってるし)。世間の評判はあてにならない場合が多いけれど、これに関しては、噂どおり、評判どおりといった感じ。面白ければいいなといった程度の期待しかしていなかったのだが、いい方に期待を裏切ってくれたので、嬉しい。

一応ミステリの部類に入るのだが、内容は「ニューヨークの優秀な女性弁護士の人生と、彼女が携わる殺人事件の進展が交互に語られる」もので、最後にその2つの話が重なるといった具合。それぞれ単独で読んでも十分に面白いものなのだが、これが2つ合わさっているのだから、1冊で2度おいしい小説だ。

でも、ミステリという感じはあまりしない。もちろんミステリの要素もしっかりあるのだけれど、それよりもリリーの人生のほうが、山あり谷ありで、ドラマがあって面白い。弁護士になってからの現在の話の中に、時折「彼」という存在が登場するのだが、これは一体誰なのか?というのも、もしかしたらミステリかもしれない。

その彼の正体は、最後に過去と現在が交わるところでわかるのだが、やはりこの人だったかとの予想はつくものの、二人の関係がどんなものであるのか、そこに至って初めて明かされ、読者はびっくり仰天する。人生はなかなか思うようにいかないものだが、これは悲しすぎるよねえ・・・という感じ。でも、男と女を超えた関係は、もしかしてとても幸せなのかもしれないなと。

やり手のキャリアウーマンというと、パトリシア・コーンウェルの<検屍官シリーズ>を思い出すが、その主人公ケイ・スカーペッタ同様、キャリア・ウーマンにはつきものの悩みが、リリーにもつきまとう。でも、基本的に主人公の性格はだいぶ違うと思うし、個人的には、このリリー・ホワイトの性格のほうが好きかも。

スーザン・アイザックスは、写真を見ると若いと思ったが、実は今年62歳になるので、なるほど機知に富んだ、円熟味のある文章を書くのも頷ける。文体も好みだし、ユーモアもあるし、かといってドタバタでなく落ち着いた文章なのがいい。もっとも、主人公のリリーの年齢も46歳くらいなので、それでドタバタしていたんじゃしょうがないとは思うが、他の若いミステリ作家にはない、大人の感覚がある。

彼女の邦訳は何冊か出ているものの、ほとんど絶版なのが残念。マーケット・プレイスで買おうかなとも思ったが、しばらくAmazonと取引するのは嫌なので、考え中(マーケット・プレイスなら、直接Amazonから買うわけではないからいいかとも思うが)。ブックオフに出てくれればいいんだけど・・・。あとは、持っている原書を読むしかないが、1冊行方不明なので、暇なときに本の山をかき回して、捜索しなくては。
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【 2005/01/29/23/34/26 (Sat) 】 読書と日常 | TB(0) | CM(0)