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日刊知的ぐうたら生活

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月別アーカイブ  【 2005年02月 】 

『ミッドナイト・ブルー』

あまり好みじゃないなあ・・・と思いながら読んでいた『ミッドナイト・ブルー』を読み終える。で、やっぱり最後まで好みじゃなかった。ああ、またこんなもの読んじゃったという感じ。時間の無駄。

主人公のソーニャ・ブルーは、本名デニーズ・ソーンという大金持ちの令嬢だったが、ロンドンで遊んでいたところ、見知らぬ男性にさらわれ、血を吸われて捨てられる。そこからソーニャ・ブルーとしての人生が始まる。つまり、彼女もまた吸血鬼となったのだ。だが、様々な条件が重なり、単なる吸血鬼ではなく、ものすごいパワーを持って、悪い奴らをやっつけるモンスター・ハンターとしても活躍する。

こう書くと、善の側のヒロインみたいだが、実はそうではない。ややこしいのは、もとの姿であるデニーズ・ソーンと吸血鬼ソーニャ・ブルーという二つの人格の裏に、<彼女>というとてつもない人格がひそんでいることだ。<彼女>が表に出ると、とんでもなく凶暴なキャラになってしまうのだ。そして、見境もなく周囲の者を殺戮していく。その殺し方も半端ではない。

ソーニャ自身は、人を襲って血を吸うことをよしとしないし、悪者のモンスターをやっつける「吸血鬼ハンター」あるいは「モンスター・ハンター」と言われてはいるものの、結局は自分を吸血鬼にした男と、自分を探している両親を苦しめる、インチキ伝道師に復讐するために動いているだけだ。つまり、人類のためにモンスターを退治しているわけではないのだ。

解説には「なぜ吸血鬼だけがそれほどもてはやされるのだろう。・・・さまざまな理由が考えられるが、何よりも彼らには<吸血鬼>という属性の前に誇示としての名前があるからではないだろうか」とあるのだが、いくら名前があっても、3重人格では、個人のキャラとしてのインパクトが弱いんじゃないだろうか。ソーニャが主人なのか、凶暴な<彼女>が主人なのか、読者は迷ってしまう。

吸血鬼ハンターと聞いて、『ドラキュラ』のヴァン・ヘルシング博士を思い浮かべていた私は、こんな極悪非道な吸血鬼ハンターなんて、認められない!という感じになってしまった。だって、この人自身がモンスターなんだから。それに、夢の中の話を織り交ぜるというのは、とにかく好きではない。何でもありになってしまうから。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『ミッドナイト・ブルー』/ナンシー・A・コリンズ (著), Nancy A. Collins (原著), 幹 遙子 (翻訳)
文庫: 396 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 早川書房 ; ISBN: 415020229X ; (1997/01)
内容(「BOOK」データベースより)
Tシャツの上に黒の革ジャン、懐には銀のナイフを忍ばせ、美しいその顔には常に瞳を隠すサングラス…彼女の名はソーニャ・ブルー。彼女には、人の目には見えぬこの世界の真の姿を見ることができた。この世界に重なって存在する「真世界」―そこは、吸血鬼、人狼、オーグルが人の身体をまとって闊歩する驚くべき世界だった。そして彼女こそ、この「偽装者」たちを次々と倒してゆく、怖るべき力を秘めたハンターであった。英国幻想文学賞、ブラム・ストーカー賞受賞。
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【 2005/02/02/23/35/04 (Wed) 】 読書と日常 | TB(0) | CM(0)