紀伊国屋に、オースターの『Oracle Night』を買いに行ったのだが、マスマーケット版があったので喜んだところ、私の嫌いな出版社「Faber and Faber Ltd」のもので、本自体が波うってしまっているという粗悪なものだった。オースターの本は、この「Faber and Faber Ltd」から出されている読みにくいものが多く、いつもそれが悩みの種。とりあえずネットで調べてからにしようと、買わずに帰って来たのだが、マスマーケット版は、紀伊国屋で買ったほうが安いみたいだ。でも、波うっている本なんか買いたくないし・・・。
つい引き込まれてしまうこの小説のプロットはあまりにも奇想天外だが、オースター独特の巧みなペンさばきが不条理な一貫性を持たせてしまう。彼の作品にはいつも夢幻の論理性があるのだ。本作の題名はオーアの作中作品のそれで、この物語全体のテーマを示唆している――小説はある意味予言的であり、単に現実を映すにとどまらず、現実を形作る力を持つ。しかし、力と無力は拮抗している。オーアの言葉を借りよう。「偶然はわれわれの毎日の生活にいつもつきまとっている。そしてその生活はいつ何時、何の理由もなしに奪われるかわからない」 Copyright c Reed Business Information, a division of Reed Elsevier Inc. All rights reserved.
Oracle Night/Paul Auster (著) U.S. 定価: $14.00 価格: ¥1,355 (税込/Amazon)/(Skysoft ¥1378) OFF: ¥150 (10%) 発送可能時期:通常24時間以内に発送します。 ペーパーバック: 243 p ; 出版社: Picador USA ; ISBN: 0312423667 ; (2004/11/01)