ビル・リチャードソンの
『ハーメルンの笛吹きを追え! 』 を読んでいる。元ネタは、あの有名なおとぎ話だが、笛吹きに連れ去られたあの子どもたちは、一体どこに消えたのか?という疑問を持った人もたくさんいるだろう。この本はそれに答えを出し、さらに連れ去られた子どもたちを救出するという話である。
翻訳は代田亜香子氏。本の内容は非常に興味深かったのだが、実は翻訳者の名前を見て、ちょっと躊躇していた。代田亜香子氏は、あの金原瑞人氏のお弟子さんじゃなかっただろうか?実際に読んでみると、やはり・・・という感は否めない。この本はもともと児童書の部類だから、楽しく読めればいいのかもしれないが、どうも軽すぎる。楽しいのと軽いのは違うだろう。軽い翻訳は、あまり好きではない。
軽いというのは、いい加減という意味でもない。一応きちんと訳されているのだとは思う。しかし会話などは軽くてもいいが、それ以外の部分は、ちゃんとした日本語にしてほしいと思う。児童書だからこそ、「ちゃんとした日本語」が必要だと思う。この本はそれほど極端に悪いわけでもなく、変なわけでもないのだが、一歩間違えば、危ないところかもと思う。訳された文体は、金原氏の影響が大きいと思う。
金原氏の文体も、それがはまる作品ならいいのだが、どれも同じようになってしまうと、これは困ったことだ。昨今、児童書と言えば金原氏の訳が多く、さらにお弟子さんもたくさんいるようなので、児童書がみな同じような翻訳になってしまうのではないかと憂慮している。勝手な取り越し苦労ならいいのだけれど。
とりあえず、この「ハーメルン・・・」は、原書で読んでも難しくなさそうなので、金原系翻訳がどうも合わないと思う人は、原書
『After Hamelin』 で読んだほうがいいかも。「あの子どもたちはどこに?」という疑問を解決したいなら、読み逃すべきではないと思える本だし。問題解決に夢を使うというのが、ちょっと安易かなとは思うけど。
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