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日刊知的ぐうたら生活

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月別アーカイブ  【 2005年11月 】 

『ママ、大変、うちにコヨーテがいるよ!』

昨日読んだ、ケイト・ソーンダズの 『いたずら魔女のノシーとマーム〈2〉謎の猫、メンダックス』 も面白かったが、今日読み終えた、エルモア・レナードの『ママ、大変、うちにコヨーテがいるよ!』もかなり面白かった。

「ノシーとマーム」のほうは2巻目だが、1巻目で魔女島を追われたらしい二人の魔女が、人間と一緒に暮らしている所に、魔女島からのスパイ猫がやってくるという話。時期はクリスマス。1巻目は、やはりハロウィーンの話のようで、今の時期に読めないのはとても残念。

ノシーとマームがなぜ魔女島を追われたのかということは、やっぱり1巻目を読まないとわからないのだが、べつにこれだけ読んでも、話がまったくわからないというものではない。この話はこの話で独立もしている。

いたずら魔女のノシーとマームのキャラがいい。とんでもないいたずら者なのだが、正義感が強く、心優しい魔女なのだ。そのあたりがなんともさりげなく描かれていて、変におしつけがましくもなく、またユーモアもあって楽しい。魔女たちの面倒を見ている牧師さんたちも、とてもいい。ここまで善意の人がいると、心が温まる。

「コヨーテ」のほうは、さすがエルモア・レナードだ!なんて、他の作品を読んでもいないのに、なんだかそう思えてしまう傑作。ハリウッド渓谷に住むコヨーテのアントワンと、元映画スターであるジャーマン・シェパードのバディ、ビューティーコンテスト女王であるトイプードルのミス・ベティが繰り広げるおかしな話。

アントワンはどこか斜に構えたアウトローっぽいキャラで、バディは言うまでもなくヒーロータイプ。ミス・ベティはハリウッドに五万といるセクシー女優という感じ。この3匹のキャラをしっかり踏まえたうえで、コヨーテが飼い犬に、飼い犬が野生にという逆転劇が演じられる。コヨーテはやっぱりコヨーテだし、飼い犬はやっぱり飼い犬の立場のまんまなのがおかしい。

それにしても、子どもが家の中にいるコヨーテを見て、「ママ、大変、うちにコヨーテがいるよ!」と事もなげに言うところなんかは、なんともおかしい。しかし、人間たちはまんまと騙されて、コヨーテを犬と思い込むのだ。ていうか、コヨーテなんか間近で見たことがないから、「あ、コヨーテだ!」とわかるほうが難しいと思うけど。(^^;

これはエルモア・レナードが、孫やひ孫のために書いた児童向けの動物ファンタジーということだが、人間社会への皮肉もたっぷり描かれていて、一癖もふた癖もある、大人も十分に満足できる作品だ。とても楽しめた。むしろ大人のほうが、レナードの風刺を心から楽しめるのではないかと思う。アウトローのコヨーテに惚れちゃうかも!ちなみに図書館では、児童書のジャンルには置いていないようだし。

この本を読んだだけで、エルモア・レナードのほかの作品の人物像が見えてくるようでもある。結構私好みの登場人物がたくさんいるんじゃないかと。作家と作品は違うとはいえ、作者の性格が登場人物に反映されることも大いにあると思っているので、となると、このコヨーテなんかはかなりカッコいいので、エルモア・レナードは私好みの作家になるかもしれないなと期待。意識しているわけではないが、やっぱり私の場合、いいなと思うと南部生まれの作家なのだ。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER』/森 博嗣 (著)
文庫: 522 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 講談社 ; ISBN: 4062639246 ; (1998/12)
内容(「BOOK」データベースより)
孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平と女子学生・西之園萌絵が、この不可思議な密室殺人に挑む。新しい形の本格ミステリィ登場。


『ママ、大変、うちにコヨーテがいるよ!』/エルモア・レナード (著), 高見 浩 (翻訳)
単行本: 206 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 角川書店 ; ISBN: 4047915025 ; (2005/07/30)
出版社 / 著者からの内容紹介
ハリウッドの丘に住む若きコヨーテ、アントワン。自由に森を駆けめぐる生活をこよなく愛しているが、飼い犬のバディと知り合ったのをきっかけに、二人の立場を入れ替えることに……レナード節健在の小気味よい童話。
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【 2005/11/05/23/42/21 (Sat) 】 読書と日常 | TB(0) | CM(0)