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ユダヤ人と反ユダヤ主義(10)

◆ユダヤ人と反ユダヤ主義─第10回:アラブ・イスラエル紛争と反ユダヤ主義

ヨーロッパ生まれのナショナリズム(民族主義)と反ユダヤ主義の両方により、アラブでのユダヤ人に対する態度は強硬。現在でもアラブの教科書にある地図には、イスラエルが載せられていない。

日本の報道などによると、アメリカがイスラエル寄りのように感じるが、ヨーロッパ、特に英仏では、国内にアラブ人が多いため、国内政治をうまくやるためには、親アラブ政策を取らざるを得ない状況にある。


◎反ユダヤ主義の存在を否定する現在のアラブ陣営

その主張の要点は、アラブ人もセム系であるから、われわれが反ユダヤ主義(anti-Semitism)的なものを持っているわけがない。われわれは、ユダヤ人とシオニスト(イスラエル)を区別しており、われわれが非難、攻撃するのは、後者であって、前者ではない─というもの。しかし現実は、それと異なる状況となっており、両者は混同され、ともに攻撃の的。アラブ・イスラーム圏における人々のユダヤ人に対する態度は、伝統的な半寛容のそれから、反ユダヤ主義に転換。しかもそれが強化されつつある現状といってよい。


●パレスチナ難民─イスラエルが独立する以前に、少なくとも2年以上パレスチナに住んでいたアラブ人(国連定義)→同じアラブ人でも、アラブ圏ではどこも受け入れない。

●ユダヤ難民─イスラエル独立時にアラブ圏を追われたユダヤ人→イスラエルが受け入れて、現在はゼロ。


日本のマスコミは親アラブで、イスラエルに公平な報道がなされていない。新聞などの報道は、その分を差し引いて考えるべき。例えば、問題となっている「壁」。なぜ壁を作るのか?そうしなければ、テロリストが入り放題になってしまうからだ。また、難民が入り込んで略奪を行うのを防ぐというのもある。しかし、堅固な壁はごく一部で、大部分は単なるフェンスである。

こうした不公平な報道のために、日本人のユダヤ、イスラエルに対する認識には、間違った点が非常に多い。ユダヤやイスラエルについて語る場合には、このようなことを考慮に入れて話すべきだ。定かではない不正確な情報で判断し、イメージだけで決め付けてはならない。報道が全て正しいというわけではないということを頭に入れておくべきだろう。
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【 2006/06/26/23/11/46 (Mon) 】 読書と日常 | TB(0) | CM(0)