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日刊知的ぐうたら生活

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ダニエル・ウォレス 『ビッグフィッシュ』

◆「アメリカ文学者から見たブルース100年」:青山南・飯野友幸

日時:10月7日(木)午後6時半より
場所:ジュンク堂書店池袋本店4階カフェにて 
入場料:1000円(ドリンク付) 
定員:40名(お電話又はご来店にてお申し込み先着順) 
お問い合わせ:03-5956-6111(池袋本店)

詳細はこちら


映画化された、ダニエル・ウォレスの『ビッグフィッシュ』を読み終えたが、死にゆく父親とのまじめな話(父親はジョーク好きで、最後まで息子に真面目な顔を見せなかったのだが)と、父親が主人公のホラ話とが交互に書かれている。

この父親と息子が、ウォレス自身のことなのかどうかはわからない。どこにも自分のことであるということは書いてないし、解説などでも触れていない。全くのフィクションだとしてもおかしくはないが、親を描く場合には、どうしても自分自身の親のイメージは投影されるのではないかなと思う。

ウォレスの文章は、あまりにもスルリと通り過ぎてしまい、脳が文字の意味を認識する前に、字面だけで進んでいってしまうので、途中で何度も戻って読み返さなくてはならなかった。これは一体どういうことだろう?

たしかに、大きな事件が起きるわけでもなく、ホラ話もかわいげのある話で、特にびっくりするようなことでもない。全体的に宙に浮いているような感覚の中で、ただひとつ、父親の死だけは事実なのだ。最期のときも、あれは真実なんだろうか?これもホラ話なんだろうか?という疑問を残して終わる。

全体的に、映画的な作りじゃないかと思う。話の中心は父親なのだが、今現在の父親と、若い頃のドン・キホーテのような父親とが交互に現れてくるので、あちらこちらに話が飛んで、時折、何の話してたんだっけ?ということもしばしば。

映画は見ていないが、映画会社の人が絶対にお薦めだと言っていた。この本に関しては、映像で見たほうがいいんじゃないかと思える。実は、次に読む予定の『西瓜王』も同じようなスタイル。

私は、ちゃんと順を追って書かれた作品のほうが安心して読めるのだが、こういうスタイルもあるのか・・・という感じ。「父親の死」というテーマは個人的には非常に弱いテーマなのだが、その悲しみをあまり表に出さず、むしろ父親の類まれなキャラクターに焦点をあてて書いているのが、しめっぽくならずにすんでいる要因かもしれない。これは泣くかな?と思っていたのだが、なんとなくすがすがしい気分なのだ。このお父さんは、なかなかたいした人物だと思う。

最後に、「父親として何か教えようと心がけてきたつもりだが・・・うまくいったんだろうか、どう思う」と胸のうちを問いかけるのだが、それもまた謎の中に消えていく。結局、息子にとって、父親はあまりにも謎だった。だから答えられなかったのだ。私にとっても、父は大きな謎のままだ。考えてみれば、父の何を知っているというんだろうか?


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『ビッグフィッシュ―父と息子のものがたり』/ダニエル・ウォレス (著), Daniel Wallace (原著), 小梨 直 (翻訳)
単行本: 211 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 河出書房新社 ; ISBN: 4309203353 ; (2000/02)
内容(「MARC」データベースより)
病気が進行して、やがて父はただの人となった。仕事もなく、話すこともない父について、何一つ知らないことにぼくが気づいたのは、その時だった。豊かなアラバマの自然を背景に、父と子の絆を描いたおかしくて切ない物語。
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【 2004/09/13/05/43/31 (Mon) 】 読書と日常 | TB(0) | CM(0)
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