
新潮社の「yom yom vol.6」に掲載されている、稲垣足穂の「第三半球物語」が面白い。すっかり忘れていたが、私のデザイン学校での立体デザインの卒論(Kデザイン研究所は、科目ごとに卒論または卒業制作があった)は、「稲垣足穂における時間と空間」とかなんとかいうものだった。
そう、その頃私は稲垣足穂が好きだったのだ。というか、そんなにのめり込んでいた記憶もないから、単になんとなくカッコいいと思っていただけだと思うが、それで卒論を書いてしまうとは、ずいぶんいい加減な奴でもあった。
今、改めて足穂を読むと、新鮮な驚きを覚えると同時に、学生の頃は単にミーハーにすぎなかっただけとはいえ、やっぱり私の感覚は間違ってはいなかったのだと嬉しくなる。足穂の時空間に、またはまってしまった。
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